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2007年10月14日
深刻な医師不足
先日、NHKで放送されている「クローズアップ現代」の番組で、夜間・休日の小児救急医療現場の現状について特集されていた。
少子化で子供の数が減少しているにも関わらず、小児救急に駆け込む患者が増え続けているそうだ。
風邪や便秘など軽い症状の子どもたちが、患者全体の98%であり、入院の必要がある事例は2%に過ぎないという。
救急を24時間営業の夜間病院として利用するこうした傾向を、医療関係者は病院の「コンビニ化」と指摘していた。
この背景には、共働きが増え、夜しか子どもを病院に連れて行けない、いざという時相談できる相手がいないなど、小児救急に頼らざるを得ない親の事情があるという。
しかしその結果、本来救急が対応すべき重症患者に手が回らず、待合室で急変する事態も起こっているそうだ。
また、夜間、休日の過酷な勤務に耐えきれず医師が倒れ、小児救急を取りやめる病院も出てきている。
どうすれば、こういった現状の問題を解決できるのであろうか。
利用する側の問題も指摘されてはいるが、やはり、根本的な問題は、全体的な医師の数が不足している点であろう。
近藤克則・日本福祉大教授(社会疫学)の試算によると、人口1000人当たりの日本の医師数が、2020年には経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中最下位に転落する恐れがあることが分かったそうだ。
以下は、2007年5月28日に配信された、毎日新聞記事からの抜粋である。
「日本各地で深刻化する医師不足について、国は「医師の地域偏在が原因で、全体としては足りている」との姿勢だが、国際水準から懸け離れた医師数の少なさが浮かんだ。
OECDによると、診療に従事する03年の日本の医師数(診療医師数)は人口1000人あたり2人。OECD平均の2.9人に遠く及ばず、加盟国中27位の少なさで、▽韓国1.6人▽メキシコ1.5人▽トルコ1.4人——の3カ国を上回っているにすぎない。
一方、診療医師数の年平均増加率(90〜03年)はメキシコ3.2%、トルコ3.5%、韓国は5.5%に達する。
日本は1.26%と大幅に低く、OECD各国中でも最低レベルにとどまる。各国とも医療の高度化や高齢化に対応して医師数を伸ばしているが、日本は「医師が過剰になる」として、養成数を抑制する政策を続けているためだ。
近藤教授は、現状の増加率が続くと仮定し、人口1000人あたりの診療医師数の変化を試算した。
09年に韓国に抜かれ、19年にメキシコ、20年にはトルコにも抜かれるとの結果になった。30年には韓国6.79人、メキシコ3.51人、トルコ3.54人になるが、日本は2.80人で、20年以上たっても現在のOECD平均にすら届かない。」
つい先頃、産気づいた妊婦が救急車で病院をたらい回しにされるという、非常に残念な事件が数件、報道されたことも記憶に新しい。
政府による、医師の養成数を抑制する政策を、これ以上続けていたら、日本の医療のあちらこちらで、更なる問題が起きてしまうのは間違いないであろう。
一般国民のみんなが、安心して子供を産み、育てて行けるような日本になるよう、社会の仕組みや人々の意識を速急に変えていく必要があると思うのであった。
投稿者 福島 健 : 2007年10月14日 16:53